マルガリーテス

あとがき

まずはマルガリーテスを最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
そしてこんなあとがきにまで目を通していただけて、たいへん嬉しいです。


以前、水梗というタイトルで途中まで上げていたのですが、見返してるうちにどうにも気に入らなくなってしまって、最初から書き直していました。そんなことをしていたら丸二ヶ月、更新が止まってしまいました。反省です。
だいぶシーン展開は異なりますが、大筋の流れは変えていないつもりです。



京都を舞台にしたお話が書きたい。
恋愛に対して不器用な赤司くんを見てみたい。
赤司くんのVSものを書いてみたい。
というところから、今回のお話が生まれました。


結果として、京都を舞台にできたのは、最初と過去編の一部だけになってしまったのは残念なのですが、鴨川を舞台にできたのは嬉しいです。私自身、鴨川が好きで、実際に鴨川デルタ(というか下鴨神社)から四条大橋まで歩いたことがあります。当たり前ですけど、たいへん疲れました。たぶん、もうやらないです。

そして等間隔に座るカップルの光景。本当は人がいるという設定で書くつもりでいたのですが、よく考えてみたら二月の夜に川辺に座るか……? と思いまして、その設定はぽしゃりました。実際はどうなんでしょう? 二月に京都は……行ったことないと書きそうになりましたが、ありました。しかも夜に三条大橋を渡ったような気がします。でも川辺に人がいたかどうかは覚えていません。

あと神泉苑ですね。ここも私のイチオシです。泉がきれいなはずです。断言できないのは、私が行った時は改修工事中で泉の水がごっそり抜けていたからです。55年ぶりに水を抜いての工事とかなんとかで、ある意味貴重な光景を見てこれたのですが、残念すぎました。つつじの季節だったからかもしれないのですが、この時は水がなくてもきれいでした。
二条城と花見小路は……省きましょう。長くなりそうです。
二条城はさておき、花見小路は趣があり、たいへん奥深い通りです。



それから恋愛に対して不器用な赤司くんですね。不器用に描けているかは何とも言えませんが、スマートではないと思います。
何でもそつなくこなしてしまう赤司くんなので、本来ならきっと恋愛も当然のように勝ち取っていくんだろうなぁと思います。でも今回は恋愛に対して必死になって欲しかったんです。もちろん、「キミはボクを選んで当然だ」的な僕司くんも好きですよ? でもたまには不器用で必死な赤司くんも悪くないんじゃないかなと思います。


不器用で必死な赤司くんを書くとしたら、まぁVSものになりますよね。
書くとしたら相手は誰にするのかという課題が出てきます。キセキの彼らは早々に候補から外しました。それ以外で誰がいるか……と考えた時に浮上してきたのが高尾くんでした。間に挟まれるのはもちろん、緑間くんです。



書き終えてから思ったことなのですが、このお話、最初から最後まで赤司くん贔屓になっているような気がしてなりません。まぁ、私が完全に赤司くん贔屓なのでそうなっちゃうのかもしれませんが、もう少し客観的に書けるようになりたいです。そしてこれは書いてる最中から気がついていたのですが、高尾くんが一番切ないポジションにいます。そしてヒロインは何気にひどい女……。
今回は高尾くんが報われない話を書いてしまったので、いつか高尾くんが幸せになるお話を書きたいです。



最後になりますが、タイトルについてお話をしようと思います。
マルガリーテス。
マーガレットの語源から取りました。ギリシャ語で意味は真珠だそうです。詳しい由来はインターネット先生に訊いていただくとして、
私は花言葉が好きで、タイトルに困るとだいたい花言葉からヒントを得にいきます。今回はヒロインが「私が本当に好きなのはどっち?」と揺れる描写がある(描いたつもりな)ので、真実の愛という花言葉から逆引きしました。そしてたどり着いたのがマーガレットでした。他にも同じ花言葉を持つ花はいくつかありましたが、知名度で群を抜いているのはマーガレットだったので。と言いつつ、実は金木犀も真実の愛という花言葉を持つようなのですが、意図せず話の中に(しかも全く関係のないところで)登場させてしまったので、やめました。
ただ、そのままマーガレットと命名してしまうとあからさますぎるので、ほんのちょっとだけ捻りを入れて語源からお借りしました。


お話の中にマーガレットをうまく使えたらよかったんですけど、如何せん、タイトルを考え始めたのが全てを書ききった後だったので、できませんでした。なので、無理やりサブタイトルにねじ込みました。
4話の「好き」と「嫌い」を繰り返して無惨に散る花びら ですね。
マーガレットが「好き」「嫌い」「好き」……と花びらをちぎりながら占いをする花ということで、それはヒロインの揺れる心と重ね合わせられそうだなと。



稚拙な文章しか書けなくて歯がゆい思いもたくさんしましたが、マルガリーテスを書いてる期間は赤司くんのことをいっぱい考えていられて幸せでした。
8話で一旦は完結となりますが、閑話を2、3話書きたいと思っています。


それでは、本当に最後の最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
わずかでも読んでくださった方の心に引っかかるものを書けていたのなら幸いです。




2016.03.12 みなづきあや